訓練校に入って以来、ひたすら続けてきた鉋の刃研ぎ。
先日、ついに砥石を持ち上げることができました。
うれしい(^^)
継続することでしか、上達はありえない
鉋の刃は砥石を使って、研ぎます。
基本的には、刃のしのぎ面というという斜めになっている面を研ぐんですが
研ぐ目的は切れ味の悪くなった刃先の再生=先端を尖らす ということです。
ここで大事になってくるのが しのぎ面を真っ直ぐに研ぐ ということなんですが
研ぎをやり始めたころは これがほんとに難しい。
初めのうちは しのぎ面を研ぐと必ず丸くなります。
刃を手で持ち、しのぎ面を砥石にピタッと押し付けながら、腕を前後に動かして研いでいくわけですが、
腕を前後に動かしたときに、しのぎ面の押さえつけ方(力を加える位置、角度)が一定じゃないと、丸く研げてしまったり、傾いて削れていきます。
しかも刃の角が指に当たって、研いでるうちに痛くなってきたり、手が疲れてきたりして、なおさら安定して研ぐことが難しいのです。
そんな感じで週4日、午後から約3時間(毎日ではありませんが) 刃研ぎをやってきましたが、この前、一つの目標にしていた砥石を持ちあげることを出来ました。
これはどういうことかと言うと
砥石で鉋刃のしのぎ面を中砥石(#1000)
↓
仕上げ砥石(#6000)と研いでいきます
↓
刃物を研ぐと砥汁(砥石と金属が削れて混ざったもの)が出てきます
↓
しのぎ面がまっすぐ研げていると、砥石と密着して、鉋刃が斜めの状態で立ったり、そのまま砥石ごと持ち上げることが出来ます。
厳密に言うと多少しのぎ面が丸くなっていても、砥石がその形状に合っていれば密着はすると思いますが、
基本的には目で見て丸みを帯びている状態では、密着することはありません。
逆に言うと、砥石が立つ状態になってこそ、研ぎの初歩ができた と言っても良いんではないでしょうか。
ところで鉋の刃研ぎってほんとに地味な作業なので、人によっては本当につまらない作業になると思います。
当然向き不向きもあると思います。
過去の訓練生の中には、刃研ぎが嫌になり、早々に退校してしまった人もいたとか。
確かに、苦手な人とか鉋を使えるようになりたいという目標がない人にはほんとに苦痛な作業なのなど思います。
入校したばかりの頃に先生から話がありました。
練習時間と技術の向上は下のようなグラフで表すことができるそうです。
練習した分だけ上達する時期と、練習しても上達しない時期(=スランプ)が存在すると。
ただここで大事なことは、
スランプに陥ったときにやめてしまうと、それ以上上達することはありえない
ということです。
つまり継続していればいつかは上達するということです。
もちろん良い加減な練習をいくら続けても上達はしません。
もっと若いうちに聞きたかったなあ(^^;
最初にこのことをを教えてもらったおかげで、途中でうまくいかなかった刃研ぎを真剣にとりくむことができました。
もちろんまだまだ初歩の初歩しか出来ませんが、ひとまず目標が達成できて本当に嬉しいです。
うまく研げることと、うまく削れることは別
ただし、刃が綺麗に研げたからと言って、うまく削れるわけじゃありません。
刃研ぎと同時に 鉋の台の調整もやってきたわけですが、鉋はこの台の仕込みもかなり重要になってきます。
いくら刃が綺麗に研げていても、台がきちんと調整されてないと、材料にきちんと刃が当たらずに、うまく削れません。
もちろん鉋の持ち方や、削る時の力の加え方も影響してきます。
今週に入りやっと木削りに入りました(2ヶ月近く木は削らせてもらえません)
アルダーという広葉樹では比較的やわらかめな材料を鉋がけしているんですが、ほんとに難しいです。
刃の出具合の調整、削り始めと削り終わりの力の加え方など、安定して削ることが出来ずにいます(^^;
台の方もさらに調整がいりそうな感じで、スルスルっと削るにはまだまだ程遠いです。
鉋ってほんとに奥深いです。